
長谷川彩織は、「迷子の風景」というテーマを一貫して追求するアーティストです。都市に暮らす私たちにとって身近でありながら見過ごされがちな風景を題材に、直線的で無機質な構造と、そこに重なる植物のやわらかな存在感を融合させた独自の世界を描き出しています。緊張感と癒しが同居するその画面は、何気ない日常の中に潜む風景の本質を静かに浮かび上がらせます。
本展では、長谷川が長年取り組んできた「迷子の風景」シリーズの新作を中心に展示いたします。作品の前に佇むことで、鑑賞者の意識は自身の記憶や空想へと導かれ、日常の中に流れる静かな時間を体験することができるでしょう。
これまで長谷川は、2022年に寺田倉庫で開催された「ブルーピリオド展」への出展、2023年のgallery UG Tennozでのグループ展「Visualization」、Bakurochoでの個展「Botanical garden」などを通じて、精力的に作品を発表してきました。近年では、美術館に作品が収蔵されるなど、国内外で注目されています。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただき、日常の中に広がる非日常の風景をご体感ください。
【長谷川彩織 メッセージ 】
「迷子の風景」と題する作品を制作しています。
実際の植物と写真に撮った風景を同じ画面に構成し、描いていく中で次第に両者は動き始めます。互いに絡み、共生するように混ざり合っているかと思えば、再生と破壊を繰り返しながら広がり、風景を形成していく。
二つの間で繰り返すリズムは風景の前に佇む人の意識を記憶や空想へと導き、彷徨わせます。そんな繰り返される儚くも力強い循環の中で迷子になれたらと思っています。
【長谷川彩織 プロフィール 】
1992年
埼玉県生まれ
2016年
多摩美術大学大学院博士前期課程 美術研究科 絵画専攻修了
2019年
Art Central HK アートフェア - MASAHIRO MAKI GALLERY, 香港
第43 回三菱商事アート・ゲート・プログラム 入選
2021年
3331 ART FAIR - Bohemian’s Guild, 東京
NONIO ART WAVE AWARD 2021 岩渕審査員特別賞受賞
Arte Laguna Prise 14&15 Finarist Exhibition - アルセナーレ, ベネチア・イタリア
2022年
「ブルーピリオド展」- 寺田倉庫, 東京
「CROSSROAD」- WHAT CAFE, 東京
個展「 In the city 」- KATSUYA SUSUKI GALLERY, 東京
2023年
個展「迷子の風景」- 銀座蔦屋書店, 東京
個展「Botanical garden」- gallery UG, 東京
ABOUT GENRES - IPERCUBO Gallery, ミラノ・イタリア
2024年
個展「Nowhere」- 八大画廊 Pata Gallery, 上海
KAMIYAMA ART QUADRIENNALE - 神山財団・上野の森美術館, 東京
グループ展「UG “OSAKAN”」- gallery UG Osaka Umeda, 大阪
2025年
個展「迷子の庭」- gallery UG Osaka Umeda, 大阪
個展「迷子の庭」- gallery UG Tennoz, 東京
他、国内外多数
【収蔵】龍美術館(LONG ART MUSEUM), 上海・中国