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スイス時計の名門の中でも267年という突出した歴史を持つ〈ヴァシュロン・コンスタンタン〉。さまざまな時代の波を乗り越え、現在まで一度も経営を止めることなく歩んできた世界最古のマニュファクチュールです。今回はその希少な存在を紐解くとともに、メゾンのアイコニックなタイムピースをご紹介します。

※この記事で紹介している商品の価格は記事公開時の価格表記のため現在の価格はお問い合わせください。また、一部、店頭にないモデルもございます。納期等、詳しくは係員までお問い合わせ下さいませ。 ※2022年8月に大丸松坂屋の会員制メディア「コネスリーニュ」で公開した記事を再編集して掲載しています。

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INDEX

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［BRAND STORY］

18世紀から継承される、
最高峰のクリエーション。

1755年、創業者ジャン＝マルク・ヴァシュロンによってジュネーブに開かれた時計工房は、その高い技術と芸術性に溢れた意匠によって、三代目ジャック・バルテルミーの時代にはフランス、イタリアまで進出。1819年にはフランソワ・コンスタンタンを共同経営者として招き、〈ヴァシュロン＆コンスタンタン〉のブランド名が誕生、販路を世界中に拡大します。1790年から既に複雑機構に取り組み、1839年に加入した機械技師ジョルジュ＝オーギュスト・レショーがパンタグラフを始めとする多くの画期的発明をもたらしたという事実から、彼らが時計界を牽引してきた歴史がわかるでしょう。ブランドのロゴは高精度と職人の気概を象徴するマルタ十字。そのシンボルを体現するかのように、今日までメゾンの伝統を守りながら、時計製造技術と工芸技術を極めたタイムピースを輩出。厳格な公的品質認証であるジュネーブ・シールを最も取得しているマニュファクチュールでもあります。

最高の時計製造技術と、
美しき工芸技術の融合。

メゾンが生まれた18世紀、時計師たちは自然光が入るキャビノティエ（屋根裏部屋）を作業場にしていたことから「キャビノティエ」と呼ばれ、権威層の人々は直接時計をオーダーしていました。ヴァシュロン・コンスタンタンはこの伝統を現在も継承し、レ・キャビノティエ部門にてビスポークのタイムピースを製作。これを手がけるのは熟練の職人たちで、完璧な機構を実現する時計師をはじめ、彫刻師、エナメル職人、ギヨシェ（溝を彫り光を捉える手法）職人、ジェムセッターたちが、世界にひとつだけのタイムピースを創造します。これらの作品には、アーミラリ・トゥールビヨン、ミニットリピーター、パーペチュアルカレンダーといった複雑機構の傑作が用いられ、デザインは「海の王国」「天空の時間」など毎年さまざまなテーマに沿って展開されます。

美を讃え、未来に
その伝統と技術を継承する。

古くから芸術や文化と深く関わってきたヴァシュロン・コンスタンタン。美を讃え、未来にその伝統や技術を継承するという活動の一環として、2019年にルーヴル美術館とパートナーシップを締結。きっかけは、遡ること2016年、当時、ヴェルサイユ・トリアノン宮殿国立博物館からルーヴル美術館が預かった 18世紀の貴重な精密時計(1754年にフランス王ルイ15世に献呈された『天地創造』と名づけられた時計)をヴァシュロン・コンスタンタンが修復したことでした。

メゾンの情熱と技術を注いだ、
アートとの密接な繋がり。

2020年12月のオークション“Bid for the Louvre”で落札され、およそ2年の月日をかけて制作された「レ・キャビノティエ - ピーテル・パウル・ルーベンス『アンギアーリの戦い』(La lute pour l’ étendard de la Bataille d’Anghiari )へのオマージュ」は、今年5月にお披露目されました。このタイムピースは、落札者が自ら選んだルーヴル美術館所蔵の芸術作品をミニアチュール・エナメルもしくはグリザイユ・エナメルで文字盤に再現するという企画で、ミニアチュールとグリザイユという伝統的なグラン・フーエナメルの技を駆使し、20種類ものブラウン系の色調を用い、何度も焼成し、原画の描写や特徴を保持しながら再現して製作されました。また売上げの全額はルーヴル美術館の芸術啓蒙プロジェクト“Le Studio(ル・ストゥディオ)”に寄付されました。

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Featured Collection
［PATRIMONY］

極上のエレガンスをもたらす、
計算され抜いたミニマリズム。

「パトリモニー」は、メゾンの伝統を現代的に再解釈した代表的なシリーズ。1950年の発売以来、タイムレス、ジェンダーレスに身につけられるタイムピースとして愛されています。完璧なラウンドシェイプに、無駄のないデザイン、調和のとれたプロポーションによって、限りなく純粋なスタイルを追求。50年代から着想を得たスリムなケース、光を控えめに反射するゴールドの丸い繊細なミニッツトラック（分目盛り）が独自の個性となっています。写真はレトログラード針の日付・曜日表示を組み合わせたユニークな「パトリモニー・レトログラード・デイ／ナイト」と、時刻と日付表示のみでミニマルさを際立てた「パトリモニー・オートマティック」。ケースバックからは22Kゴールド製ローターや手仕上げの美しいムーブメントを堪能できます。

ロマンに満ちた複雑機構を、
軽やかなボディに備えて。

複雑なパーペチュアルカレンダーを、わずか4.05mmという極薄のムーブメントに集約した「パトリモニー・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」。この市場最薄のムーブメントは、アニュアルカレンダーの変動にも対応し、2100年まで調整の必要がありません。ムーンフェイズには星空と二つの月が配され、月のサイクルを1〜29.5日のインジケーターで正確に示します。一般的なムーンフェイズが3年ごとに修正を要するのに対し、このモデルは122年に一度の修正しか必要としないという高精度。複雑機構を備えながらも、独自のミニマルなフォルム、そしてピンクゴールドとアリゲーターストラップによってクラシカルな表情をたたえています。

完璧なるラウンドシェイプの、
無駄のない美しさ。

1950年代のデザインを再構築したアワーマーカーと針、数珠繋ぎに配置された丸いミニッツトラック、そして「パトリモニー・オートマティック」には6時位置の日付小窓が加わります。時刻合わせが秒単位でできるストップセコンド機能を搭載し、ケースバックからはメゾンを象徴するマルタ十字にインスピレーションを得た22Kローターが眺められます。時刻表示のみでシンプリシティを極めた手巻き式の「パトリモニー・マニュアルワインディング」は6.80mmの薄型ケースを搭載、ムーブメントは技術と信頼性の証であるジュネーブ・シールを獲得しています。ケースバックは無地で、エングレービングを施しパーソナライズも可能。また、ストラップのカスタマイズもお楽しみいただけます（両モデル）。

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Featured Collection
［TRADITIONNELLE］

ジュネーブのクラフトマンシップと、
高い技術への敬意を形に。

18世紀から受け継がれる、ジュネーブの卓越した時計製造の伝統を表現した「トラディショナル」コレクション。段状のラウンド型ケース、レイルウェイ・ミニッツトラック、ドーフィン型（鋭い菱形）の針といった特長を備え、極めてシンプルなものからグランドコンプリケーションまで、多彩なラインナップで展開されます。姿勢差により生じる計時のズレをなくす(または調整する) 複雑機構トゥールビヨンを搭載した「トラディショナル・トゥールビヨン」はペリフェラルローターを組み込んだ、80時間のパワーリザーブを誇るタイムピース。メゾンを象徴するマルタ十字を象ったキャリッジは、１分間に１回転し、秒を示すという役割も担います。39mmケースで女性の手首向けにデザインされたモデルは、トゥールビヨン機構に46個、ラグ、ベゼル、フレームに208個のラウンドカット・ダイヤモンドがセットされ、マザーオブパールを文字盤に配しました。

最上のクオリティがひしめく、
高精度ムーンフェイズ。

81個のダイヤモンドとマザーオブパールの文字盤が、神秘的な夜空を思わせる「トラディショナル・ムーンフェイズ」。122年に一度しか修正を要しない高精度のムーンフェイズ機構は、天文学上で29日12時間44分2.8秒という月のサイクルを、29日12時間45分という極めて正確に近い時間で再現しています。職人により生み出されるマザーオブパールの七色の輝きは、自然素材だけに他に同じものがない、唯一無二のもの。ダイヤモンドは透明度、カラーともに厳選された品質のものをセットしています。ムーンフェイズ上に広がる星空はアリゲーターストラップと色合いをリンクして、華やかながら落ち着いた仕上がりに。ポエティックなこのモデルは、ピンクゴールドとホワイトゴールドでの展開です。

伝統のスタイルに映える、
ダイヤモンドの輝き。

手巻き式ムーブメントを搭載した「トラディショナル・マニュアルワインディング」は、コレクションの象徴的スタイルである溝のついたケースバックと、レイルウェイのミニッツトラックを備えたモデル。ミニマルな文字盤がベゼルに輝く54個のラウンドカット・ダイヤモンドを際立て、シンプルながら華やかな存在感を放っています。透明のケースバックから鑑賞できる精巧なムーブメントは、ジュネーブ・シールによってそのクオリティを認められたもの。バリエーションは洗練感が宿るホワイトゴールドケース×ダークブルーストラップと、気品ある佇まいのピンクゴールド×トープストラップの２種。それぞれが異なる魅力を纏っています。

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Featured Collection
［ÉGÉRIE］

ジュエリーをも圧倒する、
緻密かつ繊細なレディスモデル。

2020年に発表されたレディスコレクション「エジェリー」。オートクチュールとオートオルロジュリー（高級時計製造）、美と技術を融合した、プレシャスなタイムピースです。しなやかさが印象的な文字盤は、中央部と外縁にプリーツ模様が施され、二つの円が絡み合うオフセンターのデザイン。プリーツ模様の装飾はオートクチュールのタペストリー技法からの発想で、1904年に開発された機械によって丁寧にギヨシェ装飾が施されます。ムーンストーンをセットしたリュウズは、１時位置のサークルに寄り添うように配置された姿が個性的。ベゼルに58個、日付表示のリングに34個のダイヤモンドをあしらったピンクゴールドの「エジェリー・オートマティック」には3色のアリゲーターストラップが付属し（セミマット仕上げのラズベリーピンクと ナ イトブルー、サテン調のキャンディッドチェスナッツ）、服を選ぶように、その日の気分に合わせて付け替えをお楽しみいただけます。

丁寧な手仕事が生み出す、
リュクスな煌めき。

文字盤にダイヤモンドがきらめく「エジェリー・オートマティック」。800超のダイヤが同心円のラインを描きながら流れるように広がるデザインは、ヴァシュロン・コンスタンタンの熟練のジェムセッターの技があってこその実現できるもの。オフセンターの配置や1時位置のリング、リュウズといった特徴はそのまま、ラグジュアリーな華やかさを添えています。ストラップはサテンとアリゲーターストラップの2種が付属した、インターチェンジャブルな仕様。エジェリーコレクションではまた、サファイアクリスタルの雲の上に2つのマザーオブパールの月が現れる「エジェリー・ムーンフェイズ」も展開しています。

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Featured Collection
［OVERSEAS］

機能とルックスが調和した、
頼もしい旅のツール。

世界中を旅したフランソワ・コンスタンタンから受け継がれた世界へ通じる扉は、創業以来変わることなく、メゾンの哲学の中核となっています。旅のスピリットを表現した「オーヴァーシーズ」はマルタ十字を思わせる6角形ベゼルがトレードマークのコレクション。カジュアルな装いにもフィットする現代的なデザインに加え、ストラップを数秒で固定／リリースできる変幻自在さ、そして優れた防水性、耐磁性、長時間パワーリザーブも備え、旅はもちろん日常生活でも優れたパートナーとして活躍します。「オーヴァーシーズ・オートマティック」はモデルのシルエットを見直し、人間工学に基づいた細身の外観へ。直径34.5mmと35mmの新サイズは男女どちらの手首にも合うようにサイズを小さくしました。容易にチェンジできるストラップは、ステンレススティール、レザー、ラバーの3種類が付属。

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Featured Collection
［HISTORIQUES］

現代に蘇る、先人たちの
豊かなイマジネーション。

「ヒストリーク」は、1755年から続くブランドのクリエーションに敬意を表したコレクション。膨大なアーカイブからアイコニックなアイテムを抽出し、現代的に再構築しています。2021年に100周年を迎えた「ヒストリーク・アメリカン1921」は、文字通り1921年にアメリカ向けに製造されたモデルを新解釈したもので、手首を回さずに時刻確認ができる傾いた文字盤や、1時と2時の間のリュウズが大胆なタイムピース。手巻きのムーブメントは65時間のパワーリザーブを備え、36.5cm幅のケースが手元を都会的に飾ります。また、「ヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ 1955」は、1955年に発表されたメゾン初の防水性能付きクロノグラフ「リファレンス 6087」の牛の角のようなユニークなラグを踏襲。力強いラグの存在感によって、他にないルックスに仕上がっています。専用のカーフレザーストラップは、ミラノの高級レザーグッズメーカーSERAPIANとのコラボレーションによるものです。

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Featured Collection
［FIFTYSIX］

伝説のタイムピースを、
コンテンポラリーに昇華。

1956年発表のモデル「リファレンス 6073」へのオマージュとして生まれた「フィフティーシックス」は、クラシカルとコンテンポラリーが共存するコレクション。メゾンの象徴であるマルタ十字の4枝をモチーフとしたラグ、そして円周と放射状のラインが特徴的なセクターダイヤルが、このタイムピースのキャラクターを印象的なものにしています。複雑機構モデルは、曜日・日時のほか、パワーリザーブと秒が表示される「フィフティシックス・デイ／デイト」、そして曜日、日付、月、そして月のサイクルまでを示す「フィフティシックス・コンプリートカレンダー」を展開。ミニマルに仕上げられた「フィフティシックス・オートマティック」は、どんなシチュエーションにも馴染む現代的な洗練感と、親しみやすさを両立しています。全てが秒単位での時刻合わせが可能なストップセコンド機能、蛍光インデックスと針を備え、複雑機構モデルはともにジュネーブ・シールを取得しています。

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Featured Collection
［MALTE］

美しい曲線が存在感を放つ、
アイコニックなトノー型。

1912年に生まれたトノー型の系譜を引き継ぐ「マルタ」。マルタ十字からその名をとったこのコレクションは、力強いケースフォルムと、控えめな文字盤、そしてアワーマーカーとローマ数字のインデックスが調和してエレガントなムードを纏っています。「マルタ・マニュアルワインディング」はシンプルさゆえの高い視認性と65時間のパワーリザーブを備え、レディスモデルでは七色に輝くマザーオブパールの文字盤や、ベゼルに50個のラウンドカット・ダイヤモンドをあしらったバリエーションも用意。122年に1度調整が必要な高精度ムーンフェイズを搭載した「マルタ・ムーンフェイズ」は、8-9時位置の三日月が月のサイクルを示し、その延長線上に配されたパワーリザーブ表示とともに、ミニマルな文字盤を彩っています。

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〈ヴァシュロン・コンスタンタン〉大丸心斎橋店本館6F
電話番号：06-6271-1231（大代表）

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※この記事で紹介している商品の価格は記事公開時の価格表記のため現在の価格はお問い合わせください。また、一部、店頭にないモデルもございます。納期等、詳しくは係員までお問い合わせ下さいませ。 ※2022年8月に公開した記事を再編集して掲載しています。

文／関根麻貴（The VOICE）　WEBデザイン／唯木友裕（Thaichi）　編集・プロデュース／松尾仁（EDIT LIFE）、河邊里奈（EDIT LIFE）

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