MR. BRAINWASHミスター・ブレインウォッシュ
1966年生まれ。バンクシーの初監督ドキュメンタリー映画への出演をきっかけに、その名を知られるようになり、古着屋オーナーからグラフィティアーティストへ転身した異色の天才。ウォーホルの再来とも、バンクシー以来の大物とも言われています。
JULIAN OPIEジュリアン・オピー
1958年生まれ。シンプルな線と色彩で対象の要素を単純化した“省略の美”。日本美術に造詣が深く、輪郭を強調した描線は浮世絵から着想を得ています。本作品は最小限のディテールによって人物のリアルな存在感を感じさせる、代表的なポートレートシリーズ。
SHIRIAGARI KOTOBUKIしりあがり寿
1958年生まれ。人気漫画家であり、絵画、映像、インスタレーションに至るまで、多方面に創作の幅を広げる現代アーティスト。本展ではアクリル画、墨絵、画面をこんがりと焼きあげることで劣化の美しさを追求した焼き絵など、様々な技法の作品10余点を展示します。
IWASAWA ARIMICHI岩澤有徑
1958年生まれ。平面、映像、インスタレーション、空間演出など、観る者の想像を超えた様々な手法や素材を用いて、国内外で発表を続ける気鋭の現代美術家。自然を考察し、宇宙をテーマにした壮大な芸術観が、本作品からも伝わってきます。
TADA SATOSHI多田知史
1978年生まれ。絵本の中に迷い込んだような温もりある作風が人気。本作品に描かれている“ルルー”は、ナイトメア(悪夢を見せる魔物)として生まれながら宿命に抗って、人がよい夢を見られるように優しく包み込んでくれる守り神。その眼差しに吸い込まれそうに。
WATANABE AKIRA渡邊アキラ
1957年生まれ。自動車誌「CAR and DRIVER」の表紙絵をはじめ、自動車メーカーのカレンダー、模型のボックスアート、広告やキャラクター制作など多岐にわたって活躍。エンジン音や振動まで伝わってきそうな緻密にしてダイナミックな作品を。
FOUJITA TSUGUHARU藤田嗣治
1886~1968年。日本から単身パリへと渡り、日本画の技術を油彩画に取り入れた独自の画風を確立し、世界中で愛されたエコール・ド・パリの寵児。柔らかく繊細な描線や色彩が印象的な本作品をはじめ、本展では初期から晩年までの版画作品を集めます。
MAURICE DE VLAMINCKモーリス・ド・ヴラマンク
1876~1958年。絵を独学し、20世紀初頭にマティスやドランらとともに、フォービスム(野獣派)で一世を風靡。スピード感のある筆致と重厚な色調を用いた叙情的な作風で人気を集めました。本作品は晩年の穏やかな心の内が表現されているかのような秀作です。
PAUL AIZPIRIポール・アイズピリ
1919~2016年。静物、風景、人物などの親しみやすい具象絵画で知られ、戦後フランスを代表する人気作家。豪快な筆致と鮮やかな色彩で、歓びに満ちた世界を描き続け、日本にも多くのファンがいます。本作品も大胆にデフォルメされたアイズピリらしい一作。
ANDRE COTTAVOZアンドレ・コタヴォ
1922~2012年。20世紀フランス画壇を代表する作家の一人として、フサロらとともにリヨン派新具象を形成。単純化したフォルム、柔らかな中間色の絵具をこってりと厚塗りする独自の技法によって、彫刻のような奥行き、重厚な存在感を放ちます。
BERNARD CHAROYベルナール・シャロワ
1931年生まれ。流れるようなリズミカルなタッチと繊細な色彩で描く、清楚で美しいパリジェンヌたちの絵で知られています。透き通るような白く柔らかい肌、笑顔を向け、こちらを見つめる優しい眼差しが、見る者を夢中にさせ、うっとりと幸せな心地に。
SERGE LASSUSセルジュ・ラシス
1933年生まれ。シンプルな形や色によって耽美主義を追求。馬はその代表的モチーフで、古代の壁画を思わす、どこか神秘的な雰囲気をもちます。本作品は馬と人が一息ついている静かな光景に心が和み、陽光の暖かさや吹く風の心地よさまで伝わってくるようです。
HIRAI TOSHIAKI平井利明
1947年生まれ。牧場に通い、乗馬に興じて、馬の優しさや荒々しさを知り、いくら描いても尽きない魅力を探究。馬の絵をライフワークとした師・中畑艸人から、その志と躍動感や疾走感のある画風を継承し、写実主義を貫く力強い筆致で見る者を圧倒します。
ÉMILE GALLÉエミール・ガレ
1846~1904年。アールヌーヴォーを代表するガラスの詩人。植物学や生物学の知識、様々な技法を駆使しながら新しい表現を模索し、生活工芸品だったガラスを美術の領域へと引き上げました。本作品は蘭の花に見立てたガラスを溶着させ、多色のエナメルで蘭を描いた晩年のものです。
YOKOYAMA TAIKAN横山大観
1868~1958年。朦朧体(もうろうたい)と呼ばれる、線描を抑えて色の濃淡で表現する技法を生みだして、日本画の世界に革命をもたらし、海外でも高く評価されている重鎮。二対の本作品は抑えた描写の中にも、ほのかな光が見え、水流の音が聞こえるような臨場感があります。
KAWAI GYOKUDO川合玉堂
1873~1957年。円山・四条派と狩野派を見事に融和させ、伝統的な山水画から近代的な風景画へと独自の画風を展開した、近代日本画壇の巨匠。写実的で情趣豊かな日本の風景は玉堂芸術の真骨頂であり、最晩年の本作品も幽玄な自然とそこに生きる人々の姿が郷愁を誘います。
YAMASHITA TAKAHARU山下孝治
1974年生まれ。大胆な構図、鮮烈な色彩によって花や静物、風景などを描くとともに、宮沢賢治の世界観に着想を得たノスタルジックな作品群も人気。故郷である熊本の可愛らしいという意味をもつ言葉から“muzorashica(むぞらしか)”シリーズと名づけています。
DOBUCHI MAI土淵麻衣
1991年生まれ。自然の潮流にある生命をあるがままに描いて、そして問いかける―。たくさんの花々に包まれた本作品では、穏やかな色調や柔らかな線に人々の心や生命の美しさや儚さを重ね合わせ、“花は私たちに何を語るのだろうか”と。
MATSUBARA MAI松原麻衣
1991年生まれ。岩絵具のもつ純粋な美しさに魅了され、日本古来の空間美を意識しながら、具象的な要素をそぎ落とし、純粋な色彩によって空間抽象表現を目指しています。本作品の薄花桜とは薄い青紫色のこと。舞い落ちる花弁が風に溶けて、空に色を移すかのよう。
MUNAKATA SHIKO棟方志功
1903~1975年。板の命を彫り出す芸術として“板画”という字を用い、1956年にベネチア・ビエンナーレで日本人初の国際版画大賞を受賞した、20世紀を代表する板画家。本展では生誕120年を記念し、約20点の作品でその足跡をたどります。
KATSUSHIKA HOKUSAI葛飾北斎
1760~1849年。世界で最も有名な日本人画家と称して過言でなく、アメリカLIFE誌で “この1000年で最も重要な人物100選”に日本人で唯一選出されたほど。本作品は傑作『冨嶽三十六景』とほぼ同時期に制作した『諸国名橋奇覧』シリーズのひとつで、桜が咲く嵐山の渡月橋を描いています。
UTAGAWA HIROSHIGE歌川広重
1797~1858年。名作『東海道五十三次』などの風景画で絶大な人気があり、また、西洋でのジャポニスムの火付け役の一人として、ゴッホやモネにも大きな影響を与えました。本作品は『京都名所之内』シリーズから、金閣寺と衣笠山を対に、豪奢にして静寂な世界を表現したものです。
HIROSHIGE Ⅱ二代 広重
1826~1869年。師である初代の画風や広重イズムを最も忠実に受け継いだと言われ、名所絵の絵師として活躍。本作品は『諸国名所百景』シリーズのひとつで、江戸時代に鴨川の浅瀬や中洲に床机を並べたのが始まりとされる京都の夏の風物詩、納涼床を描いています。
KIKUKAWA EIZAN菊川英山
1787~1867年。幕末の美人画は英山から始まったとも言われる、知られざる美人画の名手。巨匠 喜多川歌麿の亡き後、気品高い武家の姫や愛らしい町娘、艶やかな遊女まで、様々な女性たちを描いて、後年に影響を与えました。菖蒲の花を生ける姿が今の季節に飾りたくなる作品です。