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額縁に飾られたアートだけではなく、ふだん目にするモノや空間にも、アートと呼びたくなるような意匠美があります。大丸京都店の館内で、店頭に並ぶ商品、そして建物から、ひと味ちがうアートを発見!

お菓子がまとった<br>パッケージ意匠

B1 地階 和洋菓子売場

お菓子がまとった
パッケージ意匠

実は有名なアーティストがデザインしたものだったり、歴史ある伝統工芸だったり。各ショップのパッケージに注目!

20世紀の巨匠 棟方志功による、歴史あるラベル。

1956年にベネチア・ビエンナーレで日本人初の国際版画大賞を受賞。板の命を彫り出す芸術として、版画ではなく板画という字を用いた、20世紀を代表する“板画家”棟方志功によるラベルです。

〈亀屋良永〉御池煎餅(22枚)税込1,458円

相国寺の雲龍図にインスパイアされた銘菓。

七代目 留治郎が相国寺所蔵の狩野洞春「雲龍図」に感銘を受け、龍の雄々しさを棹菓子で表現。「雲龍」と名付けられました。その由来にちなみ、龍の姿をパッケージに。

〈俵屋吉富〉雲龍(1棹)税込1,404円

明治初期の京都の古地図を使った包装紙。

包装紙を広げると、店に伝わるという京都盆地や三方の山裾まで描かれた明治初期の古地図が印刷されています。思わず見入ってしまい、1世紀半ほど昔の町並みへタイムスリップしたかのような不思議な心地に。

〈老松〉御所車(12個)税込1,296円

SOU・SOUとコラボ、和&ポップなお豆さん柄。

お煎餅に入っている、えんどう豆、黒豆、そら豆を愛らしく。“新しい日本文化の創造”をコンセプトにテキスタイルデザインを手がける京都のブランド SOU・SOUによる図案です。

〈亀屋良長〉一陽来福(8枚・袋入り)税込486円 (16枚・箱入り)税込1,080円

書家 中塚翠涛が描いた、2021年限定パッケージ。

2020年大河ドラマ「麒麟がくる」の題字を担当した書家 中塚翠涛(なかつか すいとう)。世界地図のようにも花にも見えるデザインは、世界に笑顔が広がることを願って描かれています。

〈ユーハイム・ディー・マイスター〉バウムクーヘントゥルム 税込1,080円

木の葉を漉き込んだ松﨑和紙を掛け紙に。

900年以上の歴史をもつ、長野県大町市名産の手漉き和紙「松﨑和紙」を掛け紙に。こうぞに葉を漉き込んだ“木の葉漉き”を特徴とし、自然の葉を使っているので一枚一枚が異なる表情です。足立音衛門では栗の葉をメインに、紫陽花、紅葉、柊を時期ごとに漉き込んでもらっています。

〈足立音衛門〉佳撰・栗のケーキ(1本)税込4,590円

大正時代から残る<br>ヴォーリズ建築の意匠

1F・B1 1階・地階 高倉通側階段など

大正時代から残る
ヴォーリズ建築の意匠

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880年~1964年)はアメリカ合衆国に生まれ、日本で数多くの西洋建築の設計を手がけました。その一つが大正末から昭和初期にかけて増築された大丸京都店。上の写真は昭和初期の1階フロアです。その後も増改築が重ねられましたが、今も往時の意匠の名残があります。

ヴォーリズ建築の意匠を象徴する八芒星。

八つの角を持つ星型多角形“八芒星(はちぼうせい)”は、各地のヴォーリズ建築に必ずと言っていいほど用いられているモチーフです。高倉通から地下へと続く階段には、大正末~昭和初期の大きな八芒星と、平成に新しく作られた小さい八芒星が向かい合わせにあります。ほかにも館内のいろんな場所に、八芒星が使われているので、ぜひ見つけてください。

かつて外観を飾った壷形飾灯具。

透かし彫り装飾をもち、高さ1m以上も。かつては2階のバルコニーに並んでいた灯具が、現在は高倉通から地下へと続く階段の入口に移設し飾られています。

現代に息づく山型アーチ。

八芒星の上部のようなギザギザした山型のアーチ。アルコーブなどに使用されていたヴォーリズ建築の意匠にヒントを得て、2014年の改装時に四条側の外通路につくられました。クラシックにしてモダン、時を超えて新鮮です。

ART DAIMARU