ナッツに魅了され、導かれ、
“ナッツのワンダーランド”をオープン
〈Going Nuts!〉
株式会社エバンジェリスト ナッツの伝道師 道城 牧人 ピーターさん
ロサンゼルス生まれ、2歳で近江八幡へ。2013年、日本食の輸出を行う「株式会社エバンジェリスト」を設立。
3年後、ナッツに魅せられ、幼少期を過ごした近江八幡に数多く残るヴォーリズの建築のひとつを事務所兼店舗としてナッツ専門店〈Going Nuts!〉をオープン。量り売りを核にナッツの魅力を伝える。社名のエバンジェリストは日本語で「伝道師」を意味する。
近江八幡で過ごした子ども時代。
迷いの中、再びロサンゼルスへ。
海外生まれの道城さんが日本へ帰ったきっかけは、教会の牧師として働いていたお父さんが「近江八幡にある学校の校長に」と熱烈なオファーを受けたから。最初は単身で帰国、遅れてお母さんと道城さん兄弟4人も日本へ。この時の住まいが、近江八幡の偉人・ヴォーリズが建築した「ウォーターハウス記念館」。昔ながらの城下町に佇む洋館です。小学生の頃は、お母さんがこの洋館で近所の子どもたちを集めて英語教室などを開いていたそう。その頃のおやつは、叔父さんがアメリカから送ってくれる海外のお菓子やナッツ、ドライフルーツなど、当時は珍しいものばかりでした。帰国子女とはいうものの、2歳前で帰国した事もあり、英語も喋れない自分自身にコンプレックスを感じていた道城さん。高校になる頃、近江八幡を離れ北海道、そしてハワイへ。その後ロサンゼルスで再び暮らしはじめるものの、家庭の事情で一時帰国。24歳になっていた道城さん、この時に奥様となる康代さんに出会い、結婚。新婚旅行は、ロサンゼルスへ引っ越しの片付けを兼ねて、だったそう。
夜明けの砂漠を走り抜けると
目の前にはナッツの畑が!
その後、日本でIT関係の会社で営業をしたり、印刷会社に転職し企画・営業を担当したり。いろいろなスキルを身につけ起業します。日本食の輸出業で、飛行機の手配や書類の作成などの日々。これでいいのか?そんな迷いの中にあった頃、仕事で再びロサンゼルスへ。現地で暮らす叔父さんに「面白いところがある」と誘われ、夜中12時からドライブに。州間高速道路10号線をひたすら東へ向かう真っ暗闇の一本道。頭を巡るのは、思い通りにならない人生のこと、パワフルで天才的な兄たちのこと、俺だけなんで…。そんな思いがぐるぐるする頃、空が明るくなってきました。砂漠の中に現れた木々の緑。叔父さんが出資していたピーカンナッツの森でした。
大切なものは、みんな
自分の身近に存在している
砂漠の下には山からの豊かな水脈があり、良質なナッツの木が育つ。苗を植えて実ができるまでに約10年はかかるし、できない年もある。
でも長い期間実をつけてくれる。そんな話を農園主から聞いた道城さん。なんだか自分のことを言われたような気がしました。またアメリカでは、ナッツの生産から保存、価格までもが生産農家でしっかりと管理され、労働環境も整っていると聞き、「ナッツに一生をかけてみよう!」そう決意します。道城さんが幼い頃、近江八幡の洋館で毎日のように食べていたナッツの思い出が蘇りました。原点であるヴォーリズの建物で、お店を立ちあげよう!これが8年前の3月1日。“熱狂的”という意味もあるアメリカの言葉が店名の〈Going Nuts!〉の誕生です。
高品質、量り売り、ブレンド…
自分の原点へとつながり始める
アメリカでは生活に密着しているナッツが、健康志向から日本や世界で注目され始めています。海外のストアを見て、道城さんは「オーガニック」なものを「量り売り」しようと考えました。生産地へ赴き、自分で吟味し仕入れる高品質なナッツ。そのおいしさをしっかりと伝えたい、と「生」「ロースト」「燻製」の3タイプを準備。燻製は、ご飯用の土鍋を使うことを思いつきました。小さい頃、ナッツとドライフルーツを一緒に口に放り込んでいた記憶から、ブレンド商品も用意。仕事でイスラエルへ行った時、西アジア方面が原産のナッツが多いことを知った道城さん。イスラエルでは「デーツ」というドライフルーツにナッツを挟んで食べられているのを見て、納得しました。実は、牧師だったおじいちゃんの「ヨルダン川へ流してくれ」という願い事がこの時ようやく実現できたのですが、ヨルダン川が流れ着く死海の周りはデーツ畑が広がっていました。道城さんの中で、またいろいろつながります。祖父、牧師。父、牧師。俺はナッツの伝道師!社名のエバンジェリストの意味までがつながり、天職だ!と実感したそうです。
和ぐるみの森100年構想
琵琶湖から世界へ
日本とアメリカに縁のある道城さんが、和と洋が融合する町・近江八幡で、ナッツの魅力を伝えるお店を始めて6年が経った頃。木いちごの農家さんを見つけ出し訪ねました。「Going Nuts!さんですか!知ってます。ご相談が!!」と農家さんから聞いたのが、滋賀県産のクルミの話。「オニグルミ」と呼ばれる日本のクルミで、縄文の頃から食べられていたといわれています。それを10年ほど前から里山で作っているが、販路がなくどうしたらいいのか、と困っていたとのこと。道城さんはこのクルミを琵琶湖から世界へ発信したい!と考えました。琵琶湖の里山文化を守ることにもつながると考え、「BIWAKO WAGURUMI」と名をつけ商品化することに。今はまだ年間20kgしか収穫できない希少なクルミですが、産業へとつなげることで人が集い、里山が整理され、流れる河川を通し琵琶湖の美しさにもつながる、と考えています。後世へと残す、新しい産業と美しい里山を、ナッツの伝道師は目指します。
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どうぞこの機会に、ナッツの魅力をご堪能ください。
