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Food2022.01.28

新たな酒文化を築く伏見の蔵元から、料理を引き立て卓上に映える、五感で酔わせる酒

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わたしの愛用品 〜使って実感、ほんとにいいもの愛しいもの。〜

京都を拠点とするアートブックの出版社「赤々舎」の創業者であり編集者である姫野希美さん。無名に近い新人の写真集も多く手がけ、写真界の芥川賞と称される"木村伊兵衛写真賞"受賞者を次々と輩出するなど、天才写真家を発掘する目利きとして知られています。その姫野さんをうならせたお酒が、伏見の蔵元 増田德兵衞商店 月の桂の純米吟醸酒「柳」です。
以前に増田德兵衞商店の当主に会って酒づくりへの想いを聞く機会があり、そのとき飲んださまざまなお酒の中で特に印象的だったそう。香りがよく、まろやかで雑味が少なく、どんな料理にも寄り添う"懐の深さ"があり、それでいて切れも爽快。ラベルの書にも趣があり、テーブルの上に映えます。自宅用にも、ちょっとした手みやげにも重宝していて、月2~3回買うほどの愛用ぶりだそうです。

〈D&Mカーヴ KYOTO〉
増田德兵衞商店 月の桂 柳(純米吟醸、720ml)
税込2,420円
■地階 ターブル プリュス

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創業340余年、果敢に新ジャンルを拓く伏見の蔵元

増田德兵衞商店は1675年に創業した、伏見でも古い蔵のひとつ。「月の桂」というブランドで親しまれ、日本初の"スパークリングにごり酒"、磁器の甕で長期熟成させた"純米大吟醸古酒"といった新ジャンルを確立した祖であり、近年では京都独自の酒米"祝"の栽培や低アルコール酒開発などにも着手。型にとらわれない多様な酒づくり、新たな酒文化の創造に積極的に挑戦しています。
「柳」は端麗辛口ながらも、ふくよかな米の甘みが余韻を残し、すっきりした口当たりと上品な香りをもつ純米吟醸酒。姫野さんが"懐の深さ"と形容したように幅広い料理との調和を考えて仕込まれているため、外国人にも人気が高く、国際線の機内サービスや海外のレストランでも提供されています。京都から世界へ。姫野さんが発信するアートと同様に、国境を越えて可能性を広げています。

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三蹟に数えられる書家 小野道風による「柳」の字

「柳」の名は室町時代に一世を風靡した洛中の名酒にあやかったもので、ラベルの文字は平安時代の能書家 小野道風(おののとうふう/みちかぜ)の書から用いたもの。道風は和様書道の礎を築いた"三蹟(さんせき)"のひとりであり、また、空海、菅原道真とともに"書の三聖"とも称えられています。
道風と柳といえば、有名な逸話があります。道風が書の才能に悩んだとき、蛙が一生懸命に柳に飛びつこうとする光景に出くわし、失敗を重ねながらもついに飛びつくことができた姿を見て、努力すれば道は開けると悟ったと。江戸時代に浄瑠璃『小野道風青柳硯』で知られるようになり、"柳に小野道風"と呼ばれる花札の絵柄にもなっています。
京都の春は芽吹きの柳がきれいだと姫野さん。暖かくなれば、春景色を肴に「柳」を飲むのもいいですね。

※20歳未満の方の飲酒は法律で禁じられています。
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