"新居留地"をテーマにしたパブリックスペース

誰もがその土地の歴史に触れ、ベンチに腰を掛け、
憩いの場として開かれたパブリックスペースへと更新していく。
それは、旧居留地の新しい観光スポットとなる。


大丸神戸店は、1987年から旧居留地の美しい街並み、建築を活かして周辺店舗開発を進めてきました。
現在、これまで実施してきた街並みを活かしたプロモーションに加え、街を「文化の発信拠点」とすることに新たに取り組んでいます。
その一つとして2023年より、場の価値の転換に焦点を当てた取り組みを行っている「SKWAT」とともに、旧居留地に新たな価値を加え、旧居留地の歴史を誰もが感じることができるパブリックスペースを展開しています。

「SKWAT」とは

「SKWAT」は都市の遊休施設を一時的に占有し、一般へ解放する運動として、2019年に設計事務所「DAIKEI MILLS」中村 圭佑氏を中心に始動。現在では、物理的な空間のみならず、オンラインや公共電波にも範囲を拡大し、場づくりや発信活動に取り組んでいます。
その手法は展示、出版、物販、レクチャーとさまざまではありますが、いずれも不完全なものから生じる価値の転換に焦点を当てて展開しています。
これまでに原宿、南青山、京都、ミラノ等で実施し、いずれも大きな話題を呼んでいます。

テーマは"新居留地"

今回つくられたパブリックスペースのテーマは「新居留地」。
現「旧居留地」は、鎖国時代長年閉ざされており、1868年の開国によって世界に開かれました。それからおよそ150年後、コロナ禍によって、人々の行動が制限され、再び国は閉ざされてしまいました。変化が問われる今だからこそ、「旧居留地」を中心に再び街が開かれる「新居留地」としての在り方を考え、提案します。

大丸神戸店は近代洋風建築によって形作られたかつての街並みの良さを現代に「継承」し、「旧居留地」として世界に「開かれた」場所を築いてきました。
SKWATは、店舗が抜け、新規テナントが入るまでの遊休区画に焦点をあて、大丸神戸店が「旧居留地」で取り組んできた「継ぐ」と「開く」を紐解き、「新居留地」をインスタレーションという手法を用い、場の価値転換を起こしていきます。
単なる観賞用の美術展示ではなく、①誰もがその土地の歴史に触れ、憩いの場としてのパブリックスペースへと「開かれ」、②インスタレーションを構築する素材として内装用資材であるLGS(軽量鉄骨)を使用することで、一時的な大丸神戸店保有の「内装用資材置き場」としての機能を有します。新規テナントが決まった際、LGSは従来の下地として次のテナントへ「継承」されます。

■インスタレーションを構築する素材
<屋根瓦>
1868年、J.W.ハートが設計した126区画の神戸外国人居留地。当時の建築的特徴である「屋根瓦」に着目、活用しました。今回使用したのは淡路瓦で、400年の歴史を刻む兵庫県・淡路島の伝統工芸的地場産業としても知られています。淡路島の良質な粘土を使用し、独特の焼成方法や燻化条件(色をだす工程)によって生まれるいぶし銀のような深い光沢が特徴の瓦です。

<LGS(軽量鉄骨)>
次のテナントへ「継承」するため、建築素材である「LGS(軽量鉄骨)」 を使用しました。壁周りを構築するために必要なLGSを予め設置することで、次に出店するテナントの施工費を軽減することを可能にしています。

屋根瓦(淡路瓦)
LGS(軽量鉄骨)

BLOCK30(大丸カーポート)の3カ所を、期間限定でパブリックスペースに転換。

「17」







「20_02」





「20_01」2023/6/14→2024/3/12

2024/3/13よりテナントOPENにむけて工事中





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